もともと狩りといえば、対象は鳥獣でした。「紅葉狩り」のように「眺める」ことも「狩る」と表現し始めたのは、狩猟をせず、自然を愛でることを楽しみとする貴族の遊びが生まれたからという説があるそうです。
いずれにせよ、紅葉狩りという言葉や行為には、日本文化ならではの風趣が満ちています。
嬉野温泉郷には、平成10年に「新さが百景」に認定された春日渓谷があり、ことに紅葉の時期は、まさに逸景。国見岳から注ぐ麗流、吉田川の上流に位置する春日渓谷へは、嬉野市外から車で約30分です。

 

穀物の収穫が「飽き満ちる」ことから、「飽き」が「秋」の語源になったという説があります。この季節に日本人が待ちかねる穀物の代表といえば、やはり新米ではないでしょうか。

嬉野温泉郷の米は、茶畑に囲まれた山すそに広がる棚田で作られた米。
棚田は嬉野の茶畑と同様、高所にあるため、山から湧き出た清らかな水、斜面を吹き渡る風、そして、降り注ぐ太陽の光に恵まれます。嬉野の棚田米に旨みと滋味とがたっぷり充填されている理由です。

「一粒に百手の功あたる」。これは米が一粒生産されるまでに百回もの手間がかかり、非常な苦労の末に作られていることをといいますが、平野の田よりも何倍もの苦労を重ねて育てられる棚田米は、その味わいも格別。この季節の大正屋の御飯には、嬉野温泉棚田米を用いています。

芝居、蒟蒻、芋、南瓜。江戸時代の女性たちが好きなものを並べた言葉ですが、現代にも通じるものがあるような気がします。蒟蒻も芋も南瓜もすべて繊維質の多い美容食。美しくなる食べ物を求める女性の心は、今も昔も変らないのかもしれません。
秋はサツマイモ、サトイモ、馬鈴薯と芋類の種類が豊富な時期。お料理にもさまざまな形で芋を使っています。サツマイモはイチョウの葉形にするなど細工を施すと美しい彩りにもなり、紅葉を愛でるように楽しめる皿もたくさんご用意できました。

美容食という意味では、今、注目されているグレープシードオイルを様々なお料理に使いました。グレープシードオイルは血行をよくするビタミンEを多く含むオイル。美肌づくりも趣向のひとつに添えた秋のお料理です。
「サワラ」と読みます。字面を読むと春の魚ですが、秋にもをにぎわせてくれる魚です。
鰆は鯖科。日本中部以南の沿岸にいて、秋にも体長1メートルほどになったものが獲れます。鰯などバリバリ食べてしまう大食らいで、その代わり味がよいのが取り得。貝原利軒の『大和本草』によると、病人は食べないほうがよいとあります。理由はたんと脂が乗っているから。それほど美味だということでしょう。
大正屋のお料理では、「さわら錦秋焼」でお楽しみいただきます。
 
 

「朝寒」「露寒」「そぞろ寒」・・・・・・時候の言葉にも、ひんやりとした語感が増え始めたら、温泉湯どうふはいかがでしょう。

温泉水でコトコト煮込むと、温泉特有の成分が働き、とろとろの豆腐になる不思議な湯どうふは、昔から嬉野温泉に伝わるもの。保存がきかず、持ち帰りができないために長い間、嬉野の地でしか味わえない幻の味でしたが、大正屋が研究の末に、「とろける湯どうふ」の商品化を実現。お土産にできる嬉野温泉湯どうふを誕生させました。佐賀産大豆「フクユタカ」と「本にがり」「嬉野の清水」を使ったこだわりとうふは贈り物はもちろん、自分へのお土産になさる方もたくさんいらっしゃるほど。嬉野旅行の余韻とともにご堪能ください。